教育研究家の日記

教育研究家による備忘録

円と正多角形 第二時

事前準備

 円を切ったものを人数×2用意

 

授業の流れ

1.円と正多角形は仲良しというのはどういうことか予想

2.円を二回折って切ってできる形の予想

3.実際に切り、なぜ正方形(ひし形)になるかの根拠を話し合う

4.円を三回追ってできる形の予想

5.実際に切り、なぜ正八角形になったかの根拠を話し合う

6.この性質を使って円から正八角形をかけないかを考える

 

授業の実際

 円をこのように二回折るよ(板書)

 ここ切るとどんな形ができるかな?

 隣の人の考えを聞いてごらん

 ひし形8名 正方形24名

 なぜそういう予想たてたのか、図を使って説明できる? 

 三角形が4つできる

 円の中心のところは90度

 つけたしで直角に等辺三角形だから他もわかって45度

 では切ってごらん

 オーッ!!

 なぜ正方形になるかわかったかな?

 うん!

 では3回折ります(板書)

 今度は公式かな?

 今回は踊りをさらにマスターしてもらいます。

 

授業のポイント

 準備物は子供にやらせる。課題が早く終わった子にかたづけるよう声掛けをしていた。

 十分予想させ、自分なりの予想を持ってから確かめにした。

調べる まとめる 共有するを45分で 主体的・対話的で深い学びを目指して

iPadによる実践

単元名「わたしたちの暮らしと国土」

iOS11からスクリーンショットに直接編集できる機能が追加された
iPadでスクショすると左下にスクショの結果が表示され、それをタップすると書き込みができる。

 

 

その機能を使い「災害を防ぐための施設、まちづくり」を調べていった。

使用機器
 iPad10台(4人に1台)
 50インチディスプレイ
 lightning ケーブル HDMI接続
 wifi環境

本時目標
 自然災害を防ぐために様々な取り組みがされていること(公助)を理解する

展開
1 となりの市長村の「津波避難タワー」の写真から導入
2 他に自分たちのまちでの取り組みを調べてまとめる
3 全体で発見を共有する

授業の実際
導入
 津波避難タワーを提示。「何?滑り台?」「プールの飛び込み台?」などの声
 新聞記事を提示し、となりの市町村の津波避難タワーということを確認
 他に自分たちの住むまちでそういった施設、まちづくりはないかを予想する
 「津波避難ビル」「ハザードマップ」「堤防」などがでる
 どんな災害があった
 「津波地震、洪水、土砂災害、噴火、雪崩、台風、大雨」などが出され、
 防災や減災のための施設やまちづくりを調べることを確認
 スクショのやり方を伝える 蛍光マーカーなども活用するように伝える

調べ、まとめる
 各グループにわかれてwebで情報収集
 ※情報を選びすぎず、見つけた情報はまず撮っておくことを伝える
 難しい言葉が多く苦戦する児童多数
 自分で理解できる言葉やキーワードのみを抜き出すことを伝える
 蛍光ペンを多く活用していた
 各グループ二つ程調べられたところで全体共有

全体共有
 50インチディスプレイに接続し、カメラロールからスクショ写真を提示して説明
 シンプルに発表できるグループ、全部読もうとしてつまるグループが出る
 発表を聞きながら板書に残していく
 板書したものをもとに授業の振り返り、身近にもたくさんあることがわかった。

実践を終えて
 直感的に操作でき、スクショに簡単に書き込めるのがとてもよい
 調査に時間がかかった。サイトを例示するか、キーワードを示すとよい

相手意識を持つということ 直径 円周 円周率

本日の学習課題は円周を求めるということ

 

直径100mの観覧車の円周は?という問題からスタート

円周率は直径の何倍かを表す数を円周率というと学習しているため、立式はすぐにできる。

 

 

100×3.14となることを確認

黒板にひっ算スペースを書こうとすると、

先生そんなのいらないとの声、どういうことかペアで予想させる

2/3の子が100倍は小数点の移動だけでいいことを自分で思い出すことができた

 

適用題をやり、今度は半円、扇形などの周りの長さを求める問題

(半径2mの円の1/4の周りの長さを求める問題)

ここで先行学習(塾などでやり方を知っている)児童と初見の児童の時間差が開くところである

まずは立式だけさせる

立式と図の対応を共通の課題として話し合い

2×2×3.14÷4という式が出る

 2×2はどこを表す?→直径

÷4ってなんのことなんだろうね?→円の1/4だから

 

一見流れいきそうな場面だが、口がぽかーんとなる子を見逃さない

聞くと、よくわからないと素直に言ってくれた。

すると学習問題がそのこちらの質問に答えることから、

 

そのわからないと言った児童にわかりやすく説明するという共通の課題となった。

すると、急に子どもたちが生き生きと考え出す。

 

相手意識をもつ問いをいかに捻出するか。授業で試されている

考えたくなる題材 円周と直径

円周÷円周率で直径が出る。

 

今回の実践のポイント

〇直径を出す必然性がある問題設定

〇3.14の九九を覚えたいという声が子どもから出たこと

 

 

「20人が1m間隔で並ぶ大きさの円を校庭にかくにはどうすればよいか?」

 

子どもの反応

20人が1mずつ並べばいいんじゃないの?

でもぐにゃぐにゃしちゃう

ひもとカラーコーンとスコップでできる

 

    隣と相談

 

円の大きさは20mになる

円の大きさって?

この周り、円周のこと

なるほど、円周は20mということはわかったね

 

それからどうしよう。

 

直径×円周率=円周でしょ

だから□×3.14=20 とできる

おー!

 

すると□はどう求められるだろう

わり算をする

20÷3.14ででる

おー、計算が面倒、、、

 

6.36・・・・

約6.4m

 

じゃあどうすれば円を書けるの?

 

円を黒板に書いて、長さを書き込む児童

ここが6.4mにすればよい(半径に6.4とかきこむ)

おしい、6.4は直径だよ

あーそっか。3.2mにすればよい(半径に3.2mとかきこむ)

 

まとめ

円周÷円周率をすると直径が出る

 

適用題

÷3.14の計算にてこずる子どもたち

一人の児童がいいこと思いついた!

3.14×1から3.14×9の計算をし、ノートに残しそれを見ながらやる

おーめっちゃ楽になった。

なになに?

先書くといいよ

ほんとだ!

3.14の九九みたいだね。

覚えるといいね。

6年生を送る会 出し物 練習編

6年生を送る会がある

 

 

練習について、小学校5年においては教員が全体指示を出すことが多いように思う。

今回は5年児童の実行委員にすべてを委ねた。

 

教員の中では次のことを確認

①見ててもどかしくても口出ししない

②練習の仕方の助言をするより前に、自分たちで気づかせる

③完成度(こちらの理想)を押し付けず、できるようになったことを認める

 

以下考え方の背景

①見ててもどかしくても口出ししない

 どの場面でも通じる。教員はせっかちだ。余計な口出しは成長の機会を阻害する。

 

②練習の仕方の助言をするより前に、自分たちで気づかせる

 練習後、実行委員で振り返り。練習でうまくいったところ、反省点を問う。自分で学びを獲得させていく

かける言葉かけ

 「どうだった?」、

 「うまくいったことは?」「どうしてうまくいったんだろう?」

 「もっとこうしたらというところある?」

 「次の練習の目標は?」

 

 決して思っていても「こうしたほうがよい」と言わない。 助言は最小限にとどめることで自分たちで学びを獲得させていく。

 

③完成度(こちらの理想)を押し付けず、できるようになったことを認める

 各行事で見栄えを気にするのは子供より教員側である。
 運動会や音楽会で出来栄えを重視してしまうこともある。
 見栄えのよい出し物をすることではなく、子どもの成長につながる出し物をする本来の目的を見失ってはならない。

 (もちろん、子どもたちの意識がそちらに向かっている場合は別だが)

 

 何かをあきらめることで広い心をもてることもある。

 完成度を気にしすぎないと、子どものがんばりによく目がいくようになる。

 するといろいろな場面で子どもを褒められる。

 

 見事に期待に応えてくれ、やりきった顔をしていた。

 リハーサルを終えた時の笑顔がなんともいえなかった。

 

 教育は本来、減点方式ではなく、加点方式であるべきである。

文章を多面的にとらえる

国語、東京書籍5年の教科書に「テレビとの付き合い方」という文章がある。

 

今回、筆者の考えについて多面的にとらえるという授業を行った。

情報を何も考えず鵜呑みにするのではなく、

また、ただただ批判するのでもなく、

筆者の考えをとらえたうえで、自分で判断をする力を養うのが目的である。

 

文章の要旨を前の時間にとらえ、筆者の意見に賛成、反対、一部賛成、一部反対と立場を決め、

それぞれの見方を討議することで多面的にとらえるということをねらった。

 

授業の詳細はここでは述べず、効果的だったものについて記述する

 

①自分の立場をはっきりして参加意識をもつ

 自分の意見がないままで討議をしても当事者意識は薄くなる。自分の立場をはっきりさせると、議論に参加しやすくなる。また、仮決定でも決断することは大切だということがわかった。

 「自分の立場をメモでも、〇つけるでもいいのでノートに「書かせる」」

 これにつきる。このことで全員が当事者意識をもつことができる。アクティブラーニングにもつながる。

 

②自分の立場を視覚的に表現する

 討議の中で考えが変容した際、意思表示をすることによって、より深く議論ができる。

 賛成札、反対札など用意したこともあったが、準備に手間がかかる。

 お道具箱にあるもの(全員が持っているもの)を活用した。

 賛成の人はのり、反対の人ははさみ、一部賛成・一部反対の人はセロテープを机の上に出すルールで行う。

 変容や、その理由を問うよいきっかけとなった。

作文好きな子どもを育てるには

作文が好きな子と嫌いな子と2極化している。

文章を書いたり、自分を表現したりするのが好きな子は好きで。

書くのに苦手意識をもっている子は嫌いだ。

 

自分は苦手意識を持っていて嫌いであった。作文嫌いの要因は3つに分けられる。読書感想文も同様だと思う

①書き方がわからない

②やらされ感がある

③提出しても細かな直しやその後清書するなど面倒

 

①に関しては文章の型をもっと教えるべきである。

また、原稿用紙何枚以上書きましょうという指導は弊害を生んでいる。

書くことがないのにだらだらと書いたり、やたら修飾語、鍵かっこが多くして字数を稼いだりと

伝えるというように本来の人に伝えるという目的から離れてしまう。

大人になれば「A4一枚にまとめる」力のほうが求められる。

「先生1枚で終わってしまいました。」という子どもには

「1枚に伝えたいことがよくまとまっているよ」などそこをもっと価値づけしてもよいと思う。

作文はたくさん書かなくてもよいという気持ちになれば、ハードルは下がるし、褒められるとやる気がでる。

 

②やらされ感がある

 これは作文をする目的意識をもたせてから書き始めることが大事といえる。

 遠足の作文なら「おうちの人にあったことを伝えるため」や「10年後の自分に読んでもらうため」

 読書感想文なら「読書記録にするため」、「この本を人に勧めるため」

 などなどである。

 文字というのは人類の優れた発明品の一つである。本来の人に伝えたり、記録を残したりという目的に立ち返ることが

 今一度必要だと思う。

 

③細かな直しを要求される

 「先生できました」と持ってきた作文

 ついつい、誤字や段落、言葉の間違いなどに目がいってしまい、まずそこを指摘してしまいがちである。

 そうではなく、まず文章の感想を一言いうべきである。

「説得力あるね!」「おもしろい構成にしたね!」「書き出しがいいね!」「コンパクトにまとまっているね!」

 いいとこを見つけ、そこを認め、価値づける。その一言を出すたびに言われたらどんどん書く意欲もわいてくると思う。

 訂正させるのは意欲に火がついてから。時にはあえての見逃しも必要だと思う。

 

 誤字の訂正などはAIなどがそのうちやってくれる時代がすぐに来る。

 子どもたちには自分を表現する楽しさや、思考を整理できる書くことのよさを感じさせることが

 第一義ではないだろうか。