教育研究家の日記

教育研究家による備忘録

3・7・30の法則を体感

海外赴任が決まり、先日、3か月にわたる訓練を終えてきた。学級づくりとも重なるところがあった。

 

3・7・30の法則は研修でもいかされていた。

 

3・7・30の法則とは野中信行氏の言葉である。

 

最初の3日で、楽しいイメージと学級作りの仕組みを作り、
7日で学級の仕組み作りや指導のポイントをおさえ、
30日で、1週間で作り上げた仕組みをさらに徹底、繰り返し指導する、
というものである。

 

以下、訓練生活にあてはめてみる

 

 最初の3日間で基本的なルールを叩き込まれた。

 常に評価されていること、生活時間の厳守、服装、規律ある行動、生活上起きた諸問題は管理側に訴えるのではなく、自分たちで解決すること。

 この時は今までの自由な生活からの変化に違和感があり、恥ずかしながら軽い反発心も持った。

 

 仕組み、生活リズムを全体に浸透させた7日間であった。生活棟と研修棟の服装をわけたり、ルールが浸透するまで抜け目なく見ていた。また、最初の7日間は外出禁止。各生活の委員会ができ、自主組織が動き出した。

 少しずつ違和感が抜けてきた。

 

30

 生活リズムに完全に適応してきた。毎朝、忘れ物やルールなどの諸注意が日常的にあり、最初は違和感を感じていたものが当たり前に感じるようになった。

 

全体所感

 ルールの存在意義も感じられた。例えば、生活時間の厳守、朝の運動、服装のこと。朝の運動は訓練中は勉学がみっちりのため運動時間が限られる。朝早くの運動はきつかったがこれがないと体調をくず人が続出していただろうと思われる。生活時間に関しては夜23時には眠くなってしまうようなスケジュールであった。不自由な面もあったが、リズムのある生活を強制的に作ってもらっていたとも思う。また、服装は生活と課業の意識をわけるのに必須なものであると感じた。服装が心構えをつくるところは給食当番の白衣に通じるものがあると感じる。

 最初の7日間の外出禁止は絶妙な日数であった。7日間続くと、外出するのが少し億劫になるし、外出しない生活に慣れてくる時間であった。最初は7日間我慢すればと思っていたが、なかなか巧妙な時間設定であった。人間はどうしても甘えが出てしまう。勉学に集中させるためによくやってくれたと思う。生活の不満をここで聞いてしまうと、よいリズムとならなかったかもしれない。

 30日たつと完全にルーティン化する。そのリズムがないと気持ち悪くなった。

 また、山の中腹に位置する訓練所は外界と切り離されていた。そのことで、訓練所内でのことが当たり前に感じるようになったのも要因と考えられる。

 3・7・30の法則を感じたと共に、この合宿型訓練の影響力を感じた。正しく使えば訓練や、更生などに役立つが、それを悪用しているのが一部の宗教団体のやり方ではないだろうか。

 ピーターフランクル「夜と霧」から学ぶことは多い。段々と慣れてしまうのが人間だからこそ、しっかりとその時に感じた違和感をメモに残すことが客観的にふりかえるためにもすごく大事であると思う。

 

3・7・30について、違和感をメモすることの大切さ、ゆるみを仕組みで整える効果を学んだ。