マダガスカルの教育事情
初等教育の総就学率は100%を超えているが、留学率、留年率が高い。
初等教育の終了率は70.2%、中等の就学率は54.8%、修了率は36.8%、高等学校は17.1%、大学等の高等教育に進学するのは約4%である。
理由は5つ挙げられる
①学校の必要性を感じていない
→教師が休むことがある(というのも非正規教員が7割を超えており待遇が悪い)
親がだったら学校なんて行かせなくてもと思ってしまう
②金銭的余裕のなさ
③病気
→途上国では十分に栄養が取れない。また医療レベルも十分でない
④子どもも休む
→農作業の手伝いなどが繁忙期に入り学校を休む
→勉強についていけなくなってやめてしまう
⑤学校へのアクセス
→インフラが整っていない。物理的に通うのが困難な子どももいる。
主に①と④に関して自分は「みんなの学校プロジェクト」活動を通じて支援を行っていく。
みんなの学校プロジェクトについてはこちらの本を読むとよくわかる。
自分も具体的な活動を交えて今後説明していきたい。
マダガスカルに到着
マダガスカルの教育事務所で活動させてもらうことになった。
マダガスカルの義務教育期間は6~10歳であるが、総就学率は統計上は100%を超えている(約150%)
なぜ超えているかというと母数は統計上就学するはずの人数であるが
実際に就学する子どもたちがもっと多いのである。
統計がうまくいっていないのときちんと住民登録されていない子どもがいるということである。
実際にはスラム街や農村部に住んでいて学校に通えない子どももたくさんいる
また、卒業できない子もたくさんいる。
所得格差がとても大きいことを感じる。
今月は首都のアンタナナリボに滞在する。農村部の生活はどうなのだろうか。
まずはしっかりと現地語のマダガスカル語を身につけていきたい。
3・7・30の法則を体感
海外赴任が決まり、先日、3か月にわたる訓練を終えてきた。学級づくりとも重なるところがあった。
3・7・30の法則は研修でもいかされていた。
3・7・30の法則とは野中信行氏の言葉である。
最初の3日で、楽しいイメージと学級作りの仕組みを作り、
7日で学級の仕組み作りや指導のポイントをおさえ、
30日で、1週間で作り上げた仕組みをさらに徹底、繰り返し指導する、
というものである。
以下、訓練生活にあてはめてみる
3
最初の3日間で基本的なルールを叩き込まれた。
常に評価されていること、生活時間の厳守、服装、規律ある行動、生活上起きた諸問題は管理側に訴えるのではなく、自分たちで解決すること。
この時は今までの自由な生活からの変化に違和感があり、恥ずかしながら軽い反発心も持った。
7
仕組み、生活リズムを全体に浸透させた7日間であった。生活棟と研修棟の服装をわけたり、ルールが浸透するまで抜け目なく見ていた。また、最初の7日間は外出禁止。各生活の委員会ができ、自主組織が動き出した。
少しずつ違和感が抜けてきた。
30
生活リズムに完全に適応してきた。毎朝、忘れ物やルールなどの諸注意が日常的にあり、最初は違和感を感じていたものが当たり前に感じるようになった。
全体所感
ルールの存在意義も感じられた。例えば、生活時間の厳守、朝の運動、服装のこと。朝の運動は訓練中は勉学がみっちりのため運動時間が限られる。朝早くの運動はきつかったがこれがないと体調をくず人が続出していただろうと思われる。生活時間に関しては夜23時には眠くなってしまうようなスケジュールであった。不自由な面もあったが、リズムのある生活を強制的に作ってもらっていたとも思う。また、服装は生活と課業の意識をわけるのに必須なものであると感じた。服装が心構えをつくるところは給食当番の白衣に通じるものがあると感じる。
最初の7日間の外出禁止は絶妙な日数であった。7日間続くと、外出するのが少し億劫になるし、外出しない生活に慣れてくる時間であった。最初は7日間我慢すればと思っていたが、なかなか巧妙な時間設定であった。人間はどうしても甘えが出てしまう。勉学に集中させるためによくやってくれたと思う。生活の不満をここで聞いてしまうと、よいリズムとならなかったかもしれない。
30日たつと完全にルーティン化する。そのリズムがないと気持ち悪くなった。
また、山の中腹に位置する訓練所は外界と切り離されていた。そのことで、訓練所内でのことが当たり前に感じるようになったのも要因と考えられる。
3・7・30の法則を感じたと共に、この合宿型訓練の影響力を感じた。正しく使えば訓練や、更生などに役立つが、それを悪用しているのが一部の宗教団体のやり方ではないだろうか。
ピーターフランクル「夜と霧」から学ぶことは多い。段々と慣れてしまうのが人間だからこそ、しっかりとその時に感じた違和感をメモに残すことが客観的にふりかえるためにもすごく大事であると思う。
3・7・30について、違和感をメモすることの大切さ、ゆるみを仕組みで整える効果を学んだ。
ロイロノート スクール
成長を実感させる
長縄大会を今年度企画した。
多くの学校で取り組んでいると思うが若い先生ほど熱が入り過ぎてしまう。
全校で1位をとるとか他のクラスには負けないというモチベーションは
火はつきやすいが継続しなかったり、勝てないとわかった時点でやる気がなくなったり、
勝ちたいと思っているのは先生だけだったりすることが往々にしてある。
逆に自分たちの最高記録を一歩ずつ着実に伸ばしていくという目標を設定した場合
火はなかなかつかないがじわじわとその火が大きくなり、じわじわと達成感を感じる
また、相手に左右されることなく自身の成長を喜べることは今の時代こそ大事にしたい点だと思う
今回、成果を焦らずひと月ごとに中間目標を立てて練習をした。
無理強いせず、みんなで縄跳びをすることをただただ楽しむことで徐々に記録も伸びた。
一つの教育スキルとしては自分たちの毎回の記録を折れ線グラフにして、成長グラフを視覚したこと
また、あえてグラフの縦軸の最大値を少なめに見積もり、成長グラフが最大値を飛び出るようにしたこと
などを行った。
少しずつできることを増やし、成長を実感するという体験を積み重ねていくとが教育では忘れてはいけない考えだと思う。
面積の求め方は「ずらす」「わける」「ふやす」
小学校5年算数で面積の学習がある。
既習の面積の求め方を活用し、台形やひし形などの面積のしかたを考える。
今回次の二つをしっかりとおさえてからひし形の面積の求め方を考えた。
①底辺と高さが同じ三角形はどんな形でも面積は等しい。
②求積には「ずらす(倍積変形)」、「わける(既習図形への分割)」「ふやす(倍積変形)」の3つの手法があること
等積変形し、対角線と対角線の長さの半分が高さの平行四辺形に変形させて求める方法や
→対角線×(対角線÷2)
倍積変形し、縦、横がそれぞれ対角線の長さの長方形にし、その半分と考える方法
→(対角線×対角線)÷2
などおなじみの方法が出た中でおもしろいアイディアが出た。
「高さがかわらなければ変形できるから、ひし形も三角形にできる!」
と気づいた児童。
一方の対角線が底辺になり、もう一方の対角線が高さになる三角形に変形できるのである。
この大発見にみんな大興奮
これも三角形の公式 底辺×高さ÷2 にあてはめると
→対角線×対角線÷2
すべてひし形の面積の公式 対角線×対角線÷2 につながっていった。
今回の授業成功要因は原理原則をしっかりと実感を伴った理解をさせていったことであると思う。
こういった積み重ねを繰り返していくと、公式の意味を実感を伴って理解し、
公式に振り回されるのではなく公式を活用できる力がついていくと思う。
円と正多角形の導入
5年算数「円と正多角形」の導入
準備物 図形の形に切った紙
用意した図形
正三角形 直角三角形 正方形 ひし形 正五角形 五角形(ホームベース、ぎざぎざ)
正六角形 六角形(すべての角が同じだが長さが違うもの)
展開
1.図形の分類クイズ
・黒板にA,Bと分け、図形を貼っていく
①A 五角形 B 五角形でないもの
②A 直角があるもの B 直角がないもの
③A 全ての角が等しいもの B それ以外
④A 全ての変が等しいもの B それ以外
⑤A 全ての角も辺も等しいもの B それ以外
2.正多角形の定義をおさえる
子どもの反応
①先行学習している子どもをひっかけるために正五角形をまずAに「わかった」と言う声をよそにホームベース型をAに貼る。
すると、「あれ?」逆に算数苦手な子が発言「五角形!」
②正方形をAにするところからスタート。ホームベース型がAになったとき、「え?」という声。
直角三角形を貼り、ペアで話し合わせ「直角がある!」
③先行学習している子は、いつ正多角形をしかけてくるかワクワク。Aに正三角形、正方形、正五角形を貼った時点で、ついに来たという顔「正多角形!」、にこにこしながら六角形(すべての角が同じだが辺が異なるもの)をAに。「あれ?」との声。近くで相談させるがわからない。次に長方形をAに貼る。そこで「あっ!」という声多数。「すべて直角がある!」
④同じく正多角形から始まり、ひし形をAに。子供たちは角の次だからと待ち構えていた「辺が等しい!」
⑤このころになると、先行知識ある児童とまったく初見の児童の差はない。正多角形をAに、それ以外をBにはり、「すべての辺と角が等しい!」
2.正多角形の定義をおさえる
⑤のような図形を正多角形というんだよ。「なるほど!角だけ、辺だけじゃだめ」と深く理解していた。
C:「じゃあ正百角形もあるの?」
T: 「100個の辺と角がすべて等しいから・・・」黒板にそれっぽく書いていくと
C:「ほぼ円じゃん!」
T:「実は正多角形と円は仲良しなんだよ」
C:「えっ?どういう意味」
T:「そのへんは次の算数で」
C:「え、どういうこと?」