読書レビュー 貧乏人の経済学 A・V・バナジー&E・デュフロ
貧困の罠からいかに脱するか
10億人が飢えているというが、典型的な貧困家庭でも支出を見直せば食費を回すのに足る
しかし、稼いだ分は娯楽に回すので結果的に足りていない面もある。
例えば援助をして食生活が改善しても、増えた分を他の贅沢に回してしまい、結局栄養不良のままであるなど
補助金で農村に肥料が行き届き、その良さを実感しても自分で次になると買わなかったりがある。
そのほうが収入が増えるとわかっていてもだ。
有効だったのは肥料により生産増のすぐ後に、つぎの肥料を買うかどうかを決定させるということであった。
一度ものとして手に入ると他でやりくりしようとする姿が見られた。
健康になることによってどんなインセンティブがあるかが実感できること
・健康になることによって収入が増える
・医療費が抑えられる
しかし、それを実行できるには忍耐と教育が必要だが楽ではない
教育
1年間教育を受けることで増える収入はおおむね年数に比例している
マダガスカルではそれを親が信じていることが、教育の定着につなっがった
しかし、植民地時代のエリート教育は政府が変わっても残っている面があり、例えば大家族の場合、できる子以外は高等教育に進ませないなどが起きている。(9人の子どものうち一人のみなど)
また、その意識も教師のモチベーションに大きく影響を与えている
自分の子どもと似た経歴の子どもが1年間学校に通うとどれだけ年収が増えるかを親に告げるというマダガスカルのブロウラムはテストの点数にかなりの好影響を与えた。
マイクロ保険
ガーナでは天候保険が保険料に大量の補助金付きで提供されると勧められた農民のほとんどが契約した。
植民地時代の影響
植民地支配者が自国の利益になるためにあった制度をそのまま引き継いでしまってうまくいかない面もある。